どろどろ血
真夏のスポーツや運動は、そのやり方をひとつ間違えると命にもかかわるリスキーなものです。なぜかというと、汗をかくことで、水分を失い、その量が多量に往々にしてなってしまうからです。運動を行うには栄養素から力のエネルギーを取り出す必要がありますが、この栄養素を100%力に変換すればよいのですが、そうはいきません。同時に熱が発生してしまいます。激しい運動時には安静時の10~20倍もの熱が発生し、体温が3~4℃上昇してしまいます。その放熱のために発汗し、体温の調節を行います。
夏に運動していた中学生が脳梗塞になったというマスコミ報道がありましたが「最近の子どもは老化したものだ。そんな年齢で成人病になるのか」ということは出来ません。血液が濃縮してドロドロになれば、年齢に関係なく梗塞が起こる可能性があるからです。 高齢者が夏に行う農作業の途中やその直後に、心筋梗塞や脳梗塞を起こす例はかなりの頻度で見られます。直感的には老化による動脈硬化がもとでと了解してしまいますが、もし、その際に十分な水分補給を行えば、無事にその日の作業は終えたかもしれません。
貧血を説明するには「血液が薄くなっている」と表現する場合がありますが、血液の濃縮はその逆で「血液が異常に濃くなってドロドロしている」状態です。このような血液は粘っこく、血管の中を流れにくいので、脳や心臓の細い血管では詰まってしまいます。昔は「運動中に水分を摂ってはいけない」と強調されました。理由としては水を飲んでもすぐに汗として出て体力を消耗させるだけだという理由でしたが、最近は水分を補給しながら走るマラソン選手やサッカー選手の姿をTVで見るようになり、間違いが正されるようになqりました。
私たちのからだは細胞がたくさん集まって出来ています。皮膚という革袋に細胞を浮かべているという構図です。細胞の栄養分は水に溶けて細胞外から取り入れしていると同時に、不必要な代謝物は同じ水の中に出ていきます。このように生命活動はすべて水の中で行われているのです。
夏に運動や労働を行う場合には、身体の中の水が干上がらないように気をつけたいものです。
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